前回は、「目標がない」という言葉を、そのまま受け止めて終わらせないことについてお伝えしました。
今回は、「強みや興味、やりがいがわからない」と話す社員との関わり方について考えてみたいと思います。
就職支援の現場で多い相談の一つが、「自分の強みがわからない」「自己PRが作れない」「実績なんてない」というものです。
一見すると「自己理解が足りない」と思われがちですが、実際にはそうとは限りません。
例えば、「自分には強みがない」と話していた方でも、長所や強みが書かれた一覧を見ながら選んでいただくと、「これは自分に当てはまる」と迷いながらも選び、選んだ理由についても話せる方がほとんどです。
また、「趣味は何ですか」「休日は何をしていますか」と話を広げていくと、興味や価値観が少しずつ見えてくることもあります。
「実績はありません」と話す方でも、「仕事で工夫したことは?」「心がけていたことは?」と質問を変えると、多くの方が自然と経験を語り始めます。その積み重ねこそが、その人の実績なのです。
つまり、「わからない」のではなく、まだ言葉になっていないだけというケースは少なくありません。
これは社員面談でも同じです。
「何がやりたいかわかりません」という言葉に対して、すぐに答えを求める必要はありません。
選択肢を示しながら一緒に考えたり、若手であれば学生時代やこれまでの選択を振り返ったり、中堅以降であれば過去の仕事や成功体験を整理したりすることで、その人が大切にしていることや、やりがいのヒントが見えてくることがあります。
「強みがない」「やりたいことがない」という言葉を、そのまま受け止めるのではなく、その背景にある経験や価値観を丁寧に聴いていくこと。
その積み重ねが、社員自身の成長実感につながり、結果として定着や活躍にもつながっていくのではないでしょうか。
「やりたいことがない」と言われたら…
やりたいことが見つからないのは、”やるべき役割”や”期待されている役割”がまだ見えていないからかもしれません。