やりたいことが見つからない背景には、「やるべき役割」や「期待されている役割」がまだ見えていないこともあるのかもしれません。
今回は、会社における「役割」と「共有」について考えてみたいと思います。
私自身、面談で目標を尋ねられたり、目標管理シートを記入したりする際に、「会社は私に何を期待しているのだろう」と悩んだことがあります。会社員である以上、会社の目標に貢献したいという気持ちはありましたが、自分に求められている役割が見えず、目標を立てることに戸惑いを感じました。
多くの会社では、モチベーション向上やチーム目標の達成、生産性向上などを目的に、社員面談や評価面談、1on1などを実施し、社員の声を聴く機会を設けています。
一方で、会社やチームの目標だけでなく、「あなたに期待していること」や「担ってほしい役割」は、十分に共有されているでしょうか。
もちろん、役割を一方的に押し付けることは望ましくありません。しかし、目標を持てずにいる社員に対しては、「こんなことを期待しています」と伝えたうえで、「その中であなたには何ができそうですか?」と一緒に考えていくことが、一つの支援になる場合もあります。
人は、自分の役割を見つけたり、周囲から期待されている役割を実感したりすることで、「必要とされている」という感覚を持ちやすくなります。その積み重ねが、成長や会社での居場所につながることも少なくありません。
会社側は「伝えたつもり」でも、相手には十分に伝わっていないことがあります。そうした小さな認識のズレが積み重なると、「何を期待されているのかわからない」「頑張っているのに評価されない」といった思いにつながり、やがてモチベーションの低下や離職につながることもあります。
社員の声を聴くことはもちろん大切です。しかし同じくらい、会社の想いや期待を伝え、お互いの認識をすり合わせていくことも大切ではないでしょうか。
「役割」というレンズを通して人や組織を見てみると、目標が持てない理由や、組織の中で起きているすれ違いが、少し違った形で見えてくるかもしれません。次回は、その「役割」を社員一人ひとりとどのように共有し、成長につなげていくのかについて考えてみたいと思います。