現場改善にあたって、「見える化」という手法が使われます。
昔、こんな笑い話がありました。
現場で問題が発生し、上司から「現場をみてこい」と指示を受けた社員が、
一時間ほど現場をみて戻ってきました。
「原因が分かりませんでした」と報告すると、
上司は「分かるまで現場をみてこい!」と𠮟ります。
再び現場に戻り、今度は注意深く観察したところ、
数十回に一度だけ部品供給装置で供給不良が起きていることを発見しました。
褒められると思い急いで戻って「原因が分かりました!」と報告すると、
今度は「なぜ対策せずに戻ってきたんだ!」とまた叱られてしまいます。
慌てて現場に戻り、対策を実施した…という話です。
この話には現場改善の本質が詰まっています。
「みる」という言葉は、いくつかの漢字に使い分けられます。
- 眺る…目的を持たずに眺めること
- 観る…目的を持って観察すること
- 看る…問題を見つけ、改善まで行うこと
看護師が患者さんを看るように、異変に気づき、
必要な対応まで行うことが「看る」です。
近年は、カメラやセンサー、パソコンによって、
現場の状況を簡単に「見える化」できるようになりました。
しかし、データを眺めるだけでは、現場は変わりません。
本当に大切なのは、現場を看ることです。
問題を見つけ、原因を考え、改善に繋げてこそ、
「見える化」は価値を持ちます。
「見える化」は、情報を集めることが目的ではありません。
「眺る」から「改善する(看る)」をしてこそ、本当の意味での「見える化」と言えます。